感情日記の書き方:3行から始めるテンプレートと例文
感情日記は、日付・今の気持ち・あったことを3行で書くところから始めてみましょう。たとえば「11月3日/ほっとした/会議で伝えたかったことを話せた」で十分です。手帳でもスマホのメモでもよいので、書きやすいものを選び、週末に読み返す時間を取ってみてください。
一日の出来事を全部書こうとすると、何から書くか迷います。ここで紹介する感情日記では、その日をどう感じたかに絞って記録します。あとで並べて読めるよう、同じ項目で短く残してみましょう。
厚生労働省の「今の気持ちを書いてみる」でも、自分なりの言葉で書くことを勧めています。手書きが面倒なら携帯やパソコンを使ってよいとされているので、新しいノートを買うところから始める必要はありません。
感情日記の基本は3行
次の表は、この日記を始めるための記入例です。決められた検査や採点の方法ではありません。最初は上の3項目だけ使い、ほかは気になった日に足してください。
| 項目 | 書くこと | 記入例 |
|---|---|---|
| 日付 | 書いた日。必要なら時刻も | 11月3日、帰宅後 |
| 気持ち | 今の気持ちに近い言葉を1つか2つ | 緊張した、今はほっとした |
| 出来事 | 何があったかを一行で | 会議で自分の意見を伝えた |
| 元気の具合(任意) | 活動したいか、休みたいか | 夕方にはくたくた |
| 体の感覚(任意) | 気づいた感覚 | 肩に力が入っていた |
| 付け足し(任意) | あとで見返したいこと | 昼休みに同僚と話した |
書く場所に、次の型を置いておくのも一案です。
日付:
今の気持ち:
あったこと:
3日分の記入例
以下は書き方を示すための創作例で、実際の人の日記ではありません。
月曜 気が重い。通勤電車が混んでいて、職場に着く前から疲れた。
火曜 緊張した、今はほっとした。会議で意見を伝えられた。午後は肩に力が入っていた。
水曜 穏やか。帰りに駅から少し遠回りして歩いた。体は疲れているけれど、気分は落ち着いている。
出来事と気持ちは、一対一に決めなくてかまいません。同じ会議のあった日でも、緊張、満足、がっかりなど、書く言葉が違ってよいのです。「緊張したあと、ほっとした」のように変化を書いても、その日の記録になります。
「普通」「微妙」で止まったときの言葉の選び方
言葉が出てこなければ、次の2つを手がかりにしてみましょう。
- 心地よい感じか、不快な感じか。
- 活動したい感じか、静かに休みたい感じか。
これは、ニューハンプシャー大学が紹介するMood Meterの、心地よさとエネルギーの2軸を参考にした問いです。Mood Meterはイェール大学の感情知能研究センターが開発したものです。
日記では、たとえば次のような日本語から探せます。表は本記事の語彙例で、Mood Meterの公式日本語訳や、感情を固定的に分類する基準ではありません。
| 今の感じ | 静かに過ごしたい・元気が少ない | 活動したい・気持ちが高ぶっている |
|---|---|---|
| 心地よい | 穏やか、満ち足りている、ほっとした | うれしい、わくわくする、誇らしい |
| 不快 | 寂しい、がっかりした、気が重い | 腹が立つ、そわそわする、焦る |
「微妙」しか書けない日は、それを残しておいても大丈夫です。言い換えを試すなら「静かだけれど寂しい」「疲れているけれど満足」のように、近い言葉を2つ組み合わせてみてください。もっと候補が欲しいときは、気持ちを表す言葉の一覧も使えます。
同大学の案内では、気分に伴う体の感覚に気づくことも勧めています。言葉が見つからないときは「肩がこわばっている」「あごに力が入っている」など、気づいたことから書いてみましょう。その感覚だけで、特定の感情や原因を決める必要はありません。
忙しい日にも続けるための書き方
最初から毎日たくさん書こうとせず、次のやり方を試してみてください。
- すでにある習慣に添える。 歯磨きのあと、帰宅して手帳を開くときなど、書くタイミングを1つ選びます。
- 何もなかった日も一言残す。 「穏やか。いつもどおり夕食を食べた」でも一回分です。
- 忙しい日は日付と一語で終える。 出来事の一行も負担なら、その日は省いてかまいません。
- 書かなかった日を埋めようとしない。 空いたところはそのままにして、今日の分から再開します。
2021年のUC Irvineの研究では、気分を記録するアプリを使った22人にインタビューしています。なかには、嫌な気分のときは記録しづらく、よい気分を残したいと話す人もいました。一方、ニューハンプシャー大学は、難しい気持ちのときに限らず、心地よい気分にも目を向けるよう勧めています。
そこで、この日記では書きやすい気持ちも、書きにくい気持ちも、残せる範囲で記録してみましょう。空白があっても、自分を採点するために使わないでください。
書く時間や場所から決めたい場合は、ジャーナリングの始め方で、一行から始める方法を紹介しています。
最初の1週間の進め方
以下は練習用の予定例です。この順番や日数に特別な効果があるという意味ではありません。週の途中からでも、同じ3行だけでも始められます。
| 日 | 試すこと |
|---|---|
| 月曜 | 日付・気持ち・出来事を記入 |
| 火曜 | 同じ3行に、元気の具合を付け足す |
| 水曜 | 気づいた体の感覚を一言添える |
| 木曜 | 「普通」と書いたら、もう少し近い言葉も探す |
| 金曜 | 基本の3行だけに戻す |
| 土曜 | 時間を決めず、思い出したときに書く |
| 日曜 | 書いた分を読み返し、気づいたことを一行残す |
読み返すときは、繰り返し出てくる言葉を見る
週末などに数日分を並べて、次の問いから1つ選んでみましょう。
- どんな気持ちの言葉が多かったか。
- 穏やかだった日には、何があったか。
- 気が重かった日に、似た出来事はあったか。
- 特定の曜日や時間帯について、もう少し見てみたいことはあるか。
先ほどの22人へのインタビューでは、記録が自分への気づきや過去の気持ちを振り返る助けになったと参加者は感じていました。気分を図やカレンダーで見て傾向を捉えられる点も好まれていました。ただし、少人数の利用者の経験を聞いた研究で、日記をつければ誰でも同じ結果になると確かめたものではありません。
手帳なら、月間ページにその日の言葉を1つずつ書く方法もあります。スマホのメモなら、日付順に数日分を並べて読んでみてください。
同じ研究では、アプリに記録したデータをどう読み解けばよいか、支援が足りないという点も挙がっています。まずは「会議のあとは、緊張と書く日が続いた」のように、書いてある範囲の気づきにとどめましょう。「月曜だから必ず気が重くなる」といった結論を急ぐ必要はありません。
厚生労働省の案内も、書いた文章を読み直すことで、それまで思いつかなかった選択肢に気づけると説明しています。感情日記を振り返ることが、次の日の過ごし方を考える手がかりになるかもしれません。
手帳・スマホのメモ・日記アプリの選び方
道具選びに迷ったら、次のように考えてみてください。
| 道具 | 選ぶときの目安 |
|---|---|
| 手帳やノート | 手書きしたい、夜は画面を見ずに書きたい |
| スマホのメモ | 手元の道具で、短く入力して始めたい |
| 感情を記録する日記アプリ | 気持ちの選択やカレンダーなど、使いたい機能がある |
今ある道具に3行書いてから、必要な機能を考えても遅くありません。人に見せる文章に整えず、自分があとで分かる言葉で残しましょう。厚生労働省も、人に見せないことを前提に、ありのままの気持ちを書くよう勧めています。
ティーハウスで書いてみる
Bium Tea Houseは、短く気持ちを残す習慣を取り入れた日記アプリで、その日の気持ちに合わせて5つのティーカップから1つ選び、話題のステッカーと一行を添えます。日記帳には日ごとのカップを記したカレンダーがあり、月の振り返りでは気持ちごとの回数や、よく登場した話題3つを見られます。次の訪問時には、メイが日記を読んで残した短いメモ(生成AIによる文章)が日記帳に挟まっています。